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看板経営Vol.6 『人材育成の先にある光明 』に弊社が掲載されました

人への投資で地元が誇る企業を目指す ータテイシ広美社

 業界全体を見渡すと、新卒を採用したり、職場環境を整えるなど、若手雇用に舵を切る企業も散見される。

 「企業は人で育つ。1億円のマシンを導入するのと、同じ金額を使つての人材育成。長い自で見れば、人への投資の方が、会社を成長させる」と話すのは、タテイシ広美社の立石良典社長だ。企業が作りたいものを作るプロダクト型企業ではなく、顧客ニーズをくみ取るマーケットイン型企業こそが、これからのサイン製作会社のあるべき姿であり、1人 ひとりの考える力を育てる人材育成は、その構築につながると持論を展開する。

 広島県府中市に本社を構える同社は、約30年前から人材の大切さに着目。特に近年は、中途・新卒を毎年バランス良く6~7 名ずつ採用し続けている。配属先も、職人、機器オペレータ一、営業と幅広く配置。業容拡大もあり、社員数は5年前と比べて約2.5倍にまで増加した。

 入社後のサポー卜体制も万全だ。社員の増え始めた2016年ごろから、入社2~ 3 年目の社員が新人の教育係を務めるブラザー制度をスター卜。これにより、社内で育成ノウハウを蓄積し、絶えず一人前を輩出できる好循環を生み出している。その補助的役割として、研修マニュアルも完備。このほか、経営指針書や社員の評価基準を可視化し、社内で目的を共有して、モチベーション向上を図っている。

 それ以外にも、新人への配慮は欠かさない。入社から10カ月は、特定の部署に配属させず、総務部の電話対応や営業補助など、各部署の経験を満遍なく積ませるのだ。社内全体の業務の流れを把握させ、配属後の円滑な連携を促すためだという。また業務の属人化を避けるため、緊急時のリスクへッジになったり、社員が安心して休暇を取りやすい環境になったりと、多くの付随効果が見込める。

 そして、同社が最も重要な企業理念として掲げるのが、地域貢献だ。地元小中学校の運営にボランティアとして参画するほか、社員の多様性を重視し、中・高・大学生と幅広くインターンシップを受け入れる。また|ターン、 Uターンも積極的に採用している。「当社の地域は田舎だとか不便だとか言われるが、だからこそ、多くの若手の受け皿となり、地方創生に貢献していきたい」。地域の人が誇りに思ってくれる企業を目指していくと、立石氏は胸を張る。