東京五輪を支える備後のものづくり
『府中NEWS速報』に掲載されました
東京五輪を支える備後のものづくり
~~タテイシ広美社のデジタルサイネージ~~
2020年の東京五輪を前に、市内の看板業、(株)タテイシ広美社(河南町・立石克昭社長)の最先端情報伝達技術に注目が集まっている。
同社がNEC(日本電気(株))と共同開発した多言語対応大型デジタルサイネージ(案内表示)は昨年12月、東京五輪に向け都市の表示標識等の多言語対応を目指す「ICT化推進フォーラム」に出展された。小池百合子東京都知事や丸川珠代五輪大臣らが視察に訪れ、「導入に向けて前向きに検討したいと、好感触を得た」と立石良典常務取締役。
このデジタルサイネージは、すでに今年3月、京成バス(株)の「葛西臨海公園駅」(東京都江戸川区)バス停に設置され、本格運用されている。
このサイネージで使った「電子ペーパー」【注】は、屋外で直射日光を浴びても紙のように極めて見やすいのが特徴。13.3インチの電子ペーパー画面には時刻表を表示するが、緊急時には無線通信で災害情報もリアルタイムで表示できる。
電子ペーパーをバス停に使うのは日本初で、世界でもロンドンに次いで2番目。この表示をコントロールする技術は同社が独自に開発し、現在特許申請中。
またバス停の電子ペーパーの横に併設された47インチ液晶タッチパネルでは、日本語、英語、中国語、韓国語を選択でき、バスの運行状況や路線図、予想所要時間、周辺観光情報などが表示される。
多言語対応のデジタルサイネージはニューヨークなど大都市で次々と導入されている。東京五輪で各国から大勢の外国人が来日するため、こうしたサイネージの需要はますます高まる。
立石常務は「大きなビジネスチャンス。受注に力を入れ、工場も拡張して万全の態勢で臨みたい」としている。
同社の業績は右肩上がりで伸びており、昨年度売上は、前年比206%増の10億円を達成している。