『急成長の秘訣は働き甲斐と働きやすさ』 府中News速報に掲載されました
府中News速報
2025年8月3日(日) 発行

<以下記事同文>
急成長の秘訣は働き甲斐と働きやすさ
河南町に本社を構える㈱タテイシ広美社(立石良典社長)が、ここ10年で従業員数、年商ともに大幅に伸ばし急成長を遂げている。その秘密に迫った。
同社は看板業から始まり、現在はデジタルサイネージや電光掲示板など様々な情報伝達媒体を手掛けている。10年ほど前は従業員数は20数人だったが、現在はパートも含め130人超が勤めており、年商も22億円に迫る勢いだ。
人材と社業の成長の2つを叶えているのが、健康経営。5年ほど前から注力するようになり、健康診断のほか、残業時間も以前に比べ大幅削減し、さらに年間休日も90日前後から今や115日に。さらに従業員の定着、健康維持の観点から、月2回就業時間内に社内に整体師を呼んで希望者は受けられるようにしている。
また従業員の働きやすさを重視し、シフトを希望に合わせて20~30種類設けたことで、休憩時間を少なめにして早く帰る人、就業開始を遅らせて余裕を持って出社する人など、柔軟性を高めた。こうした働きやすさ向上が功を奏し、10数年前は男性と女性の比率が9対1だったのが1対1に。合わせて社内の若返りも果たし、平均年齢は30代前半に、U・Iターン社員も増え、正社員の4分の1がIターン人材となっている。
埼玉県出身のK・Aさん(30歳・写真左)もそのひとりで、現在は世羅町に家族で暮らしている。「就業時間の自由度が高いのは本当に助かります。どうしても朝子どもが保育所に行き渋ったりして遅れることもある。そういう時も気兼ねなく連絡できる社内風土はありがたい」と話す。働きがいの面でも「上下関係がなく、しっかり仕事を任せてもらえる。コミュニケーションも活発で、褒められることも多く、モチベーションが上がりますよね」とその充実ぶりを明かした。
東京都出身で元町に住むM・Kさん(27歳・写真中央)も入社から半年程度ながら、既に働き甲斐を実感しているようで、「地方でもキャリアを諦めることなく世界に繋がる仕事ができる。大阪関西万博に関われたり。社内の先輩や上司に応援してもらっているように感じる」と話した。
こうした社員一人一人が自分らしく働ける環境を先頭で切り拓いてきた専務取締役の立石理恵さん(写真右)は、目指す理想像に「働き甲斐と働きやすさが共存する会社」を掲げる。「働く従業員からも改善案がたくさん上がってくる社内風土ができあがり、Aさんしかできないという仕事の属人化を減らしました。私が会社に入った10数年前は人数も少なくトップダウンで仕事をしていたけれど、人数が多くなるにつれてしっかりとした組織体制を作り上げてきました」と取り組みを振り返る。「労務管理は大変ですが、働くみんなが生き生きと働き甲斐と働きやすさの両方を感じてくれるように今後も改善に努めていきたい」と話している。
U・Iターン人材の採用など、府中市の人口増にも寄与しつつ、府中から世界へと仕事の幅を着実に広げているようだ。