元パチンコ店・酒屋などを改修 工場にし、EVスタンドを製造 経済リポート2024年2月1日号に掲載されました
経済リポート
2024年2月1日号
<以下記事同文>
全国へ向け3年間3万台を供給
LEDを活用した電光掲示板や屋内外看板などを幅広く手がける㈱タテイシ広美社(府中市河南町114、立石良典社長、電0847・43・4886)はこのほど、EVカー(電気自動車)向けEVスタンド(高速・普通充電)の製造を本格化。2026年までの3年間で3万台以上を販売するという。そのため、パチンコ店・酒類量販店・コンビニエンスストアがあった同市父石町の土地約8千㎡を購入し、各建屋を活用して第4工場として運営する。
経産省によると、22年の世界販売台数約7870万台のうち、EVカーの占める割合は約10%(約774万台)という。欧米や中国では躍進しているが、日本は現状約2・2%にとどまる。だが今後、環境意識の高まりや世界市場の動向にけん引されて国内のEVカーの普及率は高まることが予想され、充電インフラも現在の3万台から30年までに15万台に拡充すると発表している。
同社は長年屋外看板やデジタルサイネージなどを制作、設置するなど、筐体の作成や電子機器の取り扱い、シルク印刷などに精通しており、そのノウハウを生かす機器として、EVスタンドの開発に2年前から取り掛かった。その製造を行うため、第3工場建設を含めて事業再構築補助金を申請。大手から中小のエネルギー会社からの受注があったことから将来性を見込み、第4工場として前述の土地を購入し、昨年7月から整備を始めた。
また、急速充電はバッテリーを傷めるなどの特性から、ある程度の充電時間が必要なことから、将来的にガソリンスタンドのような形態ではなく、目的地充電が主流になると見込んでいる。道の駅やショッピングセンター、スポーツ施設や観光拠点など、従来とは違った利用方法や設置場所が求められることになり、立石社長は異業種が参入できるゲームチェンジャーになりうると捉えている。「スタンドの設置場所を示す看板や案内表示、路上に描く表示や車止めなど一括して受けられるなど、同業他社でも、弊社のように様々なノウハウを持つ企業は少ないと思います」と話す。
更に、第4工場は駐車スペースが広いことから、今後は土地の有効活用を進め、人々の暮らしを支える活気のある産業や飲食店などを設置する予定という。