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OPV改良案にYMFGが助成 新宿ではAI活用のサイネージ

経済リポート 2023年05月10日号


経済リポート 2023年05月10日号

以下記事同文

可搬式で視野角広がり清掃も楽

LEDを活用した電光掲示板や屋内外看板などを手がける㈱タテイシ広美社(府中市河南町114、立石良典社長、電0847-43-4886)がさきごろ開発した、有機薄膜太陽電池(以下=OPV)を利用したタペストリー「PRICELL」の改良案が、〔公社〕YMFG地域企業助成基金の令和4年度(第39回)助成先のひとつに選ばれた。また、可搬式デジタルサイネージとAIカメラを組み合わせた広告プランがこのほど、京王百貨店新宿店(東京都)の南西部ショーウィンドウに設置された=写真。

〝薄くて軽く、曲げられる特性をもつ〟OPVは、従来のシリコン製に比べて製造時のCO2排出量が約1/5と少なく、設置しやすくて廃棄物量も少ないという特長がある。PRICELLは、その特性を活かしたタペストリーで、「透過性の高い特殊なインク」で表面に印刷を施し、装飾品や看板としても活用できる。今回の改良案では、OPVを細長い短冊状にして繋げ、アコーディオンカーテンのように収納・移動ができるインテリアとしての付加価値を高めた商品化を企画。今夏の完成を目指すという。

また、京王百貨店でのサイネージは、高精細LEDデジタルビジョンを4面(235インチ1面、107インチ3面)配置。広告の映像や動画などを流すが、外枠にCCDカメラを付け、カメラに付随したAIが通りを歩く人の流れや性別、年齢層などを3秒で検知する。従来品では、画像データを管理者のパソコンなどに取り込むことで個人情報保護法に抵触する可能性があったが、同商品ではAIが性別や年齢層の情報のみを送信するため、個人情報の漏洩の心配も無く、送信負荷も下げられる。現在は時間帯や曜日などによる人の動きを検知中で、分析が終わり次第広告の掲示スケジュールなどに反映させていく予定。

さらに同商品では、サイネージを特殊な吊り具で固定することで前後へ動かせるようにした(特許申請中)ため、掃除・メンテナンスがしやすく、窓に沿わせることができる(従来品は60㎝以上離していた)ので、視野角が20%向上するという。

立石社長の話「お客様のニーズから生まれ、工夫を凝らした企画です。特に後者は人件費の節約やデータ構築に役立ち、窓を使った電子広告の可能性が広がるでしょう。今後もDX時代に即応した、様々な新商品を開発して参ります」。