『広島経済レポート』2023年1月19日号~イクボスのススメ~
★イクボスとは?
職場で共に働く部下・スタッフの仕事と生活の両立を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる経営者・管理職のこと。部下や組織、自らを「育成」するボス=イクボス。
以下記事同文
イクボス同盟ひろしま「イクボスのススメ」
~業務平準化で休みやすく会社全体で子育て~
看板製作で創業し、LEDビジョンやデジタルサイネージなどに事業を拡大。私が入社した2013年から年商は4・5倍の18億円、従業員数も3倍になり、約50人のパートを含め子育て世代の社員の力なしでは成り立ちません。皆が働きやすく、やりがいのある会社を目指しています。
●助け合いで休みやすく
パートの増員を機に、各部門にパートリーダーを配置しました。プライベートも含め困りごとの相談に乗り、場合によっては会社としてフォローできないか考えています。また、全員のライングループをつくり、欠勤連絡や業務引き継ぎに利用。どの社員も子どもの発熱時などに気兼ねなく休めるよう、人員配置にはなるべく余裕を持たせています。各課でマニュアル作成を進め、業務の属人化を防ぐよう工夫。今は、場所を選ばずに働ける環境も重要です。営業職にはノートパソコン、現場にアイパッドなどを支給し、指示書のやり取りをクラウドサービスでデジタル化。省力化につながる機械の更新や導入も積極的に行っています。
子育て世代が多いからか、急な休みなどで不満を言う人はおらず 、むしろ全員で子育てを支える雰囲気が醸成されています。コロナ感染拡大時には自然と子連れ出社が始まり、社員が代わる代わる世話を焼く光景が見られました。
●相互評価の委員会活動
さまざまな課題の解決に向け、5S、技術伝承、レクリエーション、安全など八つの委員会を設置し、パート含め全員が参加しています。各委員会は社内30カ所のモニターで活動内容を配信。インターネットフォームのアンケートで全従業員に5段階で評価し合ってもらいます。結果は賞与などに反映。当初は優劣を付けることに反発もありましたが、現在は雇用形態や部署の垣根を越え、会社を良くするという同じ目標に向かって進んでくれていると感じます。
会社の成長期にあり、仕事は忙しく、子育て中の社員はいまだ大変な状況といえます。効率化や省力化を進め、事業拡大を続けながら、全社員が早く退社して家族で毎日食卓を囲めるようにするのが理想です。
<イクボス同盟ひろしまメンバー企業>
・社名 株式会社タテイシ広美社
・肩書 専務取締役
・氏名 立石 理恵
・会社概要 看板・LEDビジョンなどの製作
・従業員95人